「世界の食料安全保障と栄養の現状 2018」発行記念セミナー(ご報告)
2018/09/21
国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所は、9月21日に「世界の食料安全保障と栄養の現状 2018」発行記念セミナーを開催いたしました。当日は、政府関係者、市民団体、大学、メディアの方々等、50名以上の方にご参加をいただき、2030年までに飢餓の撲滅を達成するためには、あらゆる分野における連携が重要であると再認識がなされました。
まず、FAO議員連盟事務局長 鈴木馨祐衆議院議員より、開会のご挨拶を頂戴しました。鈴木先生は今年の日本における自然災害を例にあげ、今日の食料安全保障問題の厳しい現状と、解決に向けた取り組みの重要性について述べられました。
基調講演では、FAO事務局長補 兼 アジア・太平洋地域事務所代表クンダビ・カディレサンから「世界の食料安全保障と栄養の現状 2018」の概略を解説させていただきました。世界の栄養不足人口が過去3年にわたり悪化傾向である背景には、紛争と経済不況に加え、深刻化する気候変動の影響が大きいことが報告されました。
続いて、国連世界食糧計画(WFP)日本事務所代表 焼家直絵様 および国連児童基金(UNICEF)東京事務所代表 木村泰政様から、それぞれの立場からコメントをいただきました。お二方から、本報告における多角的な視点と、ステークホルダー間の連携の必要性が述べられました。
質疑応答では、紛争と食料不安の相互関係や、小規模農家の社会保護政策の有用性などについて、参加者から質問が寄せられました。
日本担当FAO親善大使 中村勝宏様からは、個人ができる小さなことを積み重ねていくことで、栄養不良問題の改善へとつなげていきたいとの抱負を述べられました。
最後に、FAO駐日連絡事務所長 チャールズ・ボリコより、登壇者の皆様および参加者の皆様への感謝の表明と、閉会のご挨拶をさせていただきました。
本セミナーでは、一方的な報告発表に留まらず、政府・国際機関・参加者による活発な意見交換が行われた会となりました。今後とも、当機関ではこのようなセミナーを通して、世界の飢餓や食料安全保障に関する最新の情報の提供、パートナーシップの強化と意見交換の場を提供して参ります。
国際連合食糧農業機関(FAO)の旗艦報告書の1つである「世界の食料安全保障と栄養の現状 2018」が9月11日に発行されました。これを記念し、FAO駐日連絡事務所は、9月21日に「世界の食料安全保障と栄養の現状 2018」発行記念セミナーを開催します。
本報告書は去年に引き続き、FAO、国連世界食糧計画(WFP)、国際農業開発基金(IFAD)、国連児童基金(UNICEF)、世界保健機関(WHO)による国連5機関で共同発行され、飢餓人口の推移やその要因のほか、「2030アジェンダ」が掲げる食料安全保障と栄養に関する目標に向けた進捗状況を報告しています。本セミナーでは、来日中のFAO事務局長補兼アジア・太平洋地域事務所長クンダビ・カディレサンが、アジアにも触れつつ、最新の世界の食料安全保障の現状について解説します。
日時:2018年9月21日(金)18:30 - 19:30
※19:30に閉会後、簡単な軽食をご用意しています。
会場:国連大学 1階 アネックススペース
(東京都渋谷区神宮前5丁目53-70)
アクセス:渋谷駅から徒歩10分または表参道駅出口B2より徒歩5分
https://jp.unu.edu/about/contact-us#location
定員:80名
参加費:無料
言語:日・英(同時通訳有り)
主催:国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所
お申し込み:下記よりアクセスの上、必要事項を入力ください。
https://goo.gl/forms/sQX4Ws4RbFYeBGSn1
サイトにつながらない場合は、[email protected]に 1)お名前、2)ご所属、3)電話番号、4)メールアドレスをお知らせください。
プログラム:
18:30 - 18:35 開会挨拶 FAO議員連盟 事務局長 鈴木馨祐衆議院議員
18:35 - 19:05 基調講演:報告書「世界の食料安全保障と栄養の現状2018」について
FAO事務局長補 兼 アジア・太平洋地域事務所代表 クンダビ・カディレサン
19:05 – 19:20 他国連機関からのコメント及び質疑応答
-WFP日本事務所 代表 焼家直絵氏
-UNICEF東京事務所 代表 木村泰政氏
19:20 - 19:25 日本担当FAO親善大使 中村勝宏氏よりご挨拶
19:25 – 19:30 閉会挨拶 FAO駐日連絡事務所 所長 チャールズ・ボリコ
登壇者プロフィール:
FAO事務局長補 兼 アジア・太平洋地域事務所代表
クンダビ・カディレサン(Kundhavi Kadiresan)
カディレサン氏は、経済・政策開発分野での25年以上の経歴を持ち、加盟国への質の高いサービスの提供に重点的に取り組んでいます。経済学者であるカディレサン氏は、FAOのアジア・太平洋地域の最高幹部であり、FAOの加盟国が2030年までに持続可能な開発目標を達成できるよう、知識・情報の交流、地域レベルの規範・基準の策定を含め、FAOの同地域での事業の調整とモニタリングを指揮、監督しています。カディレサン氏は他の国連機関や政府間機関と協調、連携し、加盟国の農業・漁業・林業と農村生計における栄養、食料安全保障、食料システムの向上のための政策や規制の枠組みの策定を支援するFAOの専門職員を率いています。46カ国に及ぶ300以上の技術プロジェクトを監督し、今年フィジーで開催された第34回FAOアジア・太平洋地域総会(APRC 2018)において加盟国が行なった提言の実施を指導しています。FAOへの入職以前は、アジア、アフリカ、東欧、ラテンアメリカ地域において、世界銀行グループでキャリアの大半を積んできました。
■お問い合わせ■
国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所 担当:田村
Tel: 045-222-1101
Email: [email protected]