国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

FAOと日本の農林水産省がトラストファンド事業に関する年次協議を実施~持続可能な開発目標(SDGs)前進に向けて連携を強化~

2018/02/16

ローマ-FAOと日本の農林水産省は、FAO本部・ローマにて2日間にわたるトラストファンド事業に関する年次協議を終えました。この中で、双方は、農林水産省より拠出を受けている現在進行中のプロジェクトのレビューを行うとともに、重点分野や今後の連携について話し合いました。

7名の専門家から成る農林水産省の代表団を歓迎したFAOのダニエル・グスタフソン事務局次長(プログラム担当)は、先月末に成功裏に終えた日本政府との第2回年次戦略協議を振り返り、日本がFAOとともに他の国々が「持続可能な開発のための2030アジェンダ」及び、貧困と飢餓撲滅を含む17の持続可能な開発目標(SDGs)を達成できるよう支援する中で、重要な役割を果たしていることに感謝の意を伝えました。

代表団を率いる農林水産省・国際機構グループ(国際連合班)の川口大二課長補佐は、グスタフソン事務局次長の来日が、FAOと日本の関係強化や、日本におけるFAOの認知度向上に大きく貢献したとの認識を示しました。

また、川口課長補佐は、FAOと農林水産省が毎年開催している年次協議について、双方の専門家が直接意見を交換することで、強固な関係の根幹である信頼を構築できる機会と評価しました。

日本はFAOの世界有数の拠出国であり、農林水産省の支援は、資金提供だけにとどまらず、専門知識を通してFAOの強化にも貢献するなど、継続的に支援をしています。現在、農林水産省は世界及び地域規模で、国際的な基準作り、農業統計、フードバリューチェーン、気候変動適応・緩和策、林業、水産業、栄養、食料ロス・廃棄、越境性動植物病害虫、世界農業遺産(GIAHS)など幅広い分野にまたがる18のFAOプロジェクトを支援しています。これに加えて、農林水産省は今年、統計に関わるアフリカ各国の能力向上や、木材の合法性に係る知識・能力の向上に関する支援を行う予定です。

会議の中で、川口課長補佐は、フードバリューチェーン構築や貧困・飢餓の撲滅、気候変動への対処を含む、国際協力における農林水産省の優先分野を明らかにしました。FAO資源動員部のグスタボ・ゴンザレス部長は、こうした分野がFAOの戦略目標とも合致すると歓迎した上で、日本の食料や農業分野の知識や経験と、農林水産省が拠出するプロジェクトから得られた教訓をFAOが他の国々にも共有していくことを強調しました。さらに、FAOは、プロジェクトを効率的、効果的に実施し、ドナーのビジビリティを提供することによって、コストパフォーマンスを上げていくと強調しました。

双方は、連携を強化し、同様の協議において話し合いを重ね、また2019年に開催されるG20、第7回アフリカ開発会議、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、「成長のための栄養(Nutrition for Growth)サミット」といったイベントの機会を活用していくことを呼びかけました。農林水産省との年次協議の第二部は来月7日にバンコクで行われます。

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