国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

FAO事務局長と国連事務総長が会談、平和の持続が飢餓撲滅の要に

2018/03/15

ローマ-ジョゼ・グラチアノ・ダ・シルバFAO事務局長はアントニオ・グテーレス国連事務総長が飢餓撲滅の目標に深く関わり、紛争や気候変動によって引き起こされる課題に重点的に取り組んでいることに感謝の意を表しました。

2017年1月に就任して以来、国連事務総長としては初めてとなるFAO本部への訪問を機に開催された会談で、ダ・シルバ事務局長は、グテーレス事務総長に、紛争と不安定な状況が、引き続き18か国の食料不安の主要因となっており、これらの国においては、約7400万人の食料不安に置かれる人々が緊急支援を必要としていると報告しました。約7400万人の半数がアフリカに、3分の1以上が中東に暮らしています。

FAOはローマ本部で「世界の食料危機報告書」を発表する予定で、そのイベントにおいて事務総長はビデオメッセージを通して挨拶することになっています。

ダ・シルバ事務局長は、2030アジェンダの観点から持続可能な平和を支援していくためのFAOの優先課題を記載した最新の「FAOの組織的枠組み」を事務総長と共有しました。

国連機関の中で、平和に関する枠組みを発表したのはFAOが初めてで、この「FAOの組織的枠組み」は今年1月に発表された「平和構築と平和持続に関する事務総長報告書」に合致するものです。

2016年4月に安全保障理事会と国連総会が採択した平和構築に関する国連決議を受け、「平和の持続」という概念は、紛争の根本原因の対処や、回復、復興、開発への移行をはじめ、紛争の勃発、激化、継続、再発の防止を目的とした活動を包含しています。

 

世界食料デーと国連改革

また会談中、ダ・シルバ事務局長は、持続可能な開発目標(SDGs)2とゼロ・ハンガーに焦点を当てた今年の世界食料デー(10月16日)についてグテーレス事務総長に伝えました。FAOは今年も式典を開催する予定で、レソトの国王とスペインの王妃が出席することになっています。

ダ・シルバ事務局長は、国連専門機関の独自性とその運営組織の独立性への支援に、熱心に取り組んできた事務総長が促進する国連開発システム改革への全面的な支援を伝えました。

今回の会談は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)がパレスチナ難民への支援継続に不足している推定4億4600万ドルを補填するため開催したドナー会議に合わせて実施されました。同機関が実施するコア教育、医療、食料安全保障サービスの継続を支援していくため、会議で、世界各国から追加資金約1億ドルが誓約されました。

 

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