国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

独創的な農業遺産サイトが新たに認定

2018/04/19

FAOの世界的な農業遺産のネットワークは、現在50の卓越した景観から構成されています

ローマ – 本日、13の新たな景観が正式に世界農業遺産 (GIAHS) に認定され、持続可能な生計手段とエコシステムを相互に構築するため、人間のニーズと自然資源が一体化した独創的な方策に敬意を表しました。

FAOが実施する重要なプログラム・GIAHSにおいて新たに認定された地域はそれぞれ中国、エジプト、日本、韓国、メキシコ、ポルトガル、スペイン、スリランカが有しています。その一次産品は果物、野菜、塩、米から絹、肉、紅茶、わさびと多岐に渡ります。

こうしたシステムは「人類と自然の深い調和を示しています」とFAOローマ本部で開催された国際フォーラムで事務局次長(気候・自然資源)のマリア・ヘレナ・セメドは述べました。

新認定地についてはこちらから。

新たに認定を受けた地域の美しい景観はこちらから。

 

新たな認定地域が加わり、世界のGIAHS認定地域は計50か所になりました。農村部のコミュニティが何世代にも渡って食料安全保障や実現可能な生計手段、レジリエントなエコシステム、そして高い水準の生物多様性を促進するために構築してきた独創的な方策をGIAHSのプログラムは強調し、それぞれの卓越した美しさを高めています。

「認定地域は、過去を懐かしむものではなく、現在、未来への解決策を提示しているのです」と強調した上で、「GIAHSはエコ表示や農業観光、若者のエンパワーメントといった新たな市場やビジネスへのアクセス拡大など、イノベーションと機会そのものでもあり、農業の歴史的遺産の価値を高めています」とセメド事務局次長は述べました。

新たな認定地の中には、ヨーロッパから初めて認定を受けた地域もあります。ポルトガルのバローソの農業林間放牧システムとスペインのアナーニャのユニークな塩生産システム、同じくスペインのアクサルキアのレーズン生産システムです。また、メキシコからは、アステカ文明期に広く行われた伝統的技術が口頭伝承されてきたことによって人工的に作られたメキシコシティの一連の農地も認定を受けました。

本日開催された国際フォーラムでは、これまでに得た教訓の交換に焦点が置かれました。中国、イタリア、日本、スペイン、タンザニアの政府高官をはじめ、アルジェリア、チリ、フランス、世界遺産を認定するUNESCO(国連教育科学文化機関)からも権威ある専門家らがフォーラムに出席しました。

原文の続きはこちらから。

FAOのGIAHSについてのウェブサイトはこちらから。