国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

シリアにおける自然資源管理

2018/09/17

自国で持続可能な自然資源管理を支援するためのFAOのツールと手法を学ぶため、シリアの15名の専門家グループが2週間の研修に参加しました。

 

エドゥアルド・マンスール 土地・水資源部長は研修について、「移行と持続可能な開発のための計画(について学ぶため)15名のシリア人専門家がFAO本部(ローマ)において2週間の自然資源評価の研修に参加しています」とコメントしました。

9月3日から14日にかけて、水資源省と科学農業研究統括委員会を含む、様々な省庁と組織に所属する専門家が、シリアにおける自然資源のモニタリングと再建を強化するためのツールと手法について学ぶために来伊しました。 

レジリエンスに関する戦略プログラム(SP5)チームリーダー 兼 緊急支援・復興部長のドミニク・ブルジョンは開会挨拶で、FAOとして 「シリアの農村部の人々を守り、可能な限り、よりレジリエンスのある方法で生計を回復させることを目指しています」と述べました。彼は研修について、「紛争が農業分野に及ぼす影響をより深く理解し、またシリアが危機的な食料システムを再建するためにFAOがどのように最善の支援をできるのか明確にする」場であると考えています。

この2週間の研修は、シリアにおける持続可能な自然資源管理の進捗に関する学習と議論の場を提供しました。研修のトピックは、持続可能な土地・土壌・水管理、持続可能な開発目標6 (SDG6) 、土地被覆分類 、そしてAQUASTAT、水生産性オープンアクセスポータル (WaPOR)、農業ストレス指数システム (ASIS) 、世界食料農業情報早期警報システム(GIEWS) 、乾燥地帯における土地劣化評価(LADA)、OpenForisを含む 様々なツールと手法に及びました。

 参加者の1人であるリモートセンシング総合団体 研究員のローザ・カルモカは、「参加者は異なった経歴を有しそれぞれ違う組織を代表していますが、私たちは全員自然資源の専門家です。この研修は私たちの専門性について発表し議論するだけではなく、新しいツールと事例について学ぶことのできるユニークな機会となりました。これからもFAOとの緊密な関係を継続していくことを望んでいます」とコメントしました。

 この研修は、シリア人専門家の長期的な能力強化を目指す技術協力プロジェクト 「全ての人に研修を」の一環として実施されました。このプロジェクトは日本政府の財政支援を受けており、国連のジョイントプロジェクトです。中長期的なレジリエンス構築のため、シリアの女性と男性のスキルと知識を維持、向上させる多部門の研修の機会を提供することで、様々な分野におけるシリアの人的資本の保持、強化を目指しています。

 科学農業研究統括委員会 自然資源研究管理部長のマンハル・アルフシン・アルゾウビも研修に参加しました。「研修はとても有意義でした。7年間に渡るシリア危機により、多くの専門家は国を離れたか、最新の技術やイノベーションを習得できないままでいました。この研修に参加したことで、私たちのスキルと専門知識を更新することができ、シリアに戻った時に他の同僚にその知見を伝えることができる機会となりました」

 さらに詳しい情報は、研修に参加した数名のシリア人専門家が出ているインタビュー動画をご覧ください。

 

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