国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

日本とFAOは小規模農家が鳥インフルエンザ及びヨトウムシを克服することを支援する緊急支援プロジェクトを譲渡

2019/03/05

ハラレ - 日本政府と国連食糧農業機関(FAO)は、2つの越境性脅威であるヨトウムシ(FAW)と高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)に迅速に対応するために小規模農家と政府の能力を強化することを目的としたプロジェクトを、ジンバブエ国土地・農業・水・気候・地方再定住省に譲渡しました。このプロジェクトはFAOがジンバブエ政府と直接連携して実施されました。日本は2018年3月に開始したこのプロジェクトに50万米ドルを拠出しました。

このプロジェクトを通じて、政府の普及指導員500名が10地区でトレーニングを受け、小規模農家50万人がこれらの脅威に対処する方法についての知識を得ることができます。さらに、このプロジェクトはこれらの脅威に対応するための政府の能力も強化しました。高病原性鳥インフルエンザに対しては、2つのリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)装置からなるアクティブ監視システムが、インフルエンザウイルスの迅速な検出に使用されます。一方ヨトウムシに関しては、監視とモニタリングのために、Android用の無料モバイルアプリケーションである、ヨトウムシのモニタリング及び早期警報システム(FAMEWS)を搭載したスマートフォンが、FAO より340人の政府の普及指導員に配給されます。

ハラレでの譲渡式でスピーチを行った岩藤俊幸駐ジンバブエ大使は、農業が大半のジンバブエ人の生活に果たす極めて重要な役割を考えると、彼らの生計手段と食料安全保障を守ることが必要であると述べました。また、これらの越境性の脅威に迅速に対応する上で、プロジェクトが政府と農民の能力を大幅に強化することに大きな役割を果たすとの期待を表しました。

譲渡式にあたってFAO南部アフリカ地域支所所長代理のアラン・オニボンは、生計手段の非常に重要な側面に対応したこのプロジェクトへの支援について、日本政府に謝意を表しました。オニボンは、ヨトウムシおよび高病原性鳥インフルエンザの参加型監視に関して、FAOの専門家は引き続き作物・畜産部門と獣医サービス部門に技術支援を提供すると補足しました。

2017年にジンバブエで高病原性鳥インフルエンザが発生したことによって破壊された養鶏業での自信を築くためには、このようなハイテク機器によってもたらされる国内の能力が非常に重要です。このような自信は、養鶏業における投資と生産性の促進に不可欠です。

このプロジェクトへの資金援助は、5つの持続可能な開発目標(SDGs)、つまりSDG 1(農村部の貧困削減)、SDG 2(飢餓撲滅)、SDG 3:健康と福祉、SDG 5(ジェンダーの平等)およびSDG 8(ディーセント・ワークと経済成長)へのジンバブエの進展を促進しました。

2017年5月に、ジンバブエは高病原性鳥インフルエンザ(H5N8)の発生を経験しました。それはジンバブエ国内でも大規模な商業用養鶏場の中の家禽を育種する部で起こり、結果、病気を制御するために200万羽が処分されました。鶏肉はジンバブエの人々の食生活において重要であり、同国の食肉総消費の約3分の1を占めています。

同国の人口の約7割が農業によって雇用や収入を得ています。近年、連続して発生する干ばつの影響に農家が今も必死に対処に取り組む中、ヨトウムシや高病原性鳥インフルエンザの発生が抑制されていない状況では、食料安全保障や人々の生計手段に与える影響をより一層悪化させることになります。

したがってこのプロジェクトは、ジンバブエの小規模農家がヨトウムシと高病原性鳥インフルエンザの脅威に立ち向かう能力を備えることに大きく貢献し、彼らの生計手段と食料安全保障を確保します。

 

原文プレスリリースはこちらから(英語)

http://www.fao.org/zimbabwe/news/detail-events/en/c/1183862/

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