国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

日本・FAOがミンダナオ支援 農民と漁民に職業・技能訓練

2019/03/08

フィリピン –日本政府が支援する、農業を基盤とした職業・技能訓練が、近くフィリピン・ミンダナオの農民と漁民を対象として実施されます。この訓練は、生産性の増進や効率性の向上、所得の増加に貢献します。

日本政府は、ミンダナオのバンサモロ地域や他の紛争後地域での、農民や漁民を対象とした農業分野の職業技能向上を目指す176万米ドル(9200万フィリピンペソ)のプロジェクトについて、国連食糧農業機関(FAO)と提携しました。この提携は、ミンダナオの平和と発展の促進への貢献として日本政府が支援する4つのプロジェクトのうちの1つです。

FAOフィリピン事務所代表ホセ・ルイス・フェルナンデスは、「膨大な天然資源のあるミンダナオ地域、そして特にその農業部門は、フィリピン経済に大きく寄与しています」とし、その上で「しかしその莫大な可能性にもかかわらず、ミンダナオの農業部門は高い失業率と低賃金に直面し続けています」と述べました。

ミンダナオの農民と漁民は依然として国内の最貧層にとどまり、競争力を高めるための知識やスキルへのアクセスが限られています。

「『バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARMM)のためのバンサモロ基本法』の最近の可決と批准は、この地域のさらなる発展を支援するためのイニシアチブを先導しています。これらのイニシアチブには、能力開発と技能訓練による人的資本の強化が含まれます。日本政府の支援は、農業や漁業のコミュニティの生産性を向上させ、BARMMを含むミンダナオの世帯所得や経済活動全体の増強に貢献することになるため、まさに時宜を得たものと言えます」とフェルナンデス代表は述べました。

技術教育技能開発局(TESDA)や他の関連政府機関と連携して実施される職業技能訓練プログラムは、農民や漁民のニーズ、農業部門で求められるスキルやその技能の差に基づいて設計されます。このプロジェクトでは、FAOとTESDA、農業省(DA)、農業研修所(ATI)、フィリピン・ポストハーベスト開発機械化センター(PhilMech)、フィリピン稲研究所(PhilRice)が開発したモジュールを使用します。

研修訓練プログラムには、作物生産、総合的病害虫管理、小型農場機械を用いた収穫と収穫後処理、家畜・家禽の生産、動物衛生管理、水産養殖・漁業の生産、食品加工等に関する講義、実演、実習が含まれます。ファームスクール(FAOのファーマー・フィールド・スクールに基づく)は、金融リテラシーや起業家精神などを含む地域密着型の技能訓練のための学習の場として使用されます。

このプロジェクトは、バシラン州、スル州、タウイタウイ州、サンボアンガ・シブガイ州の農民や漁民(元戦闘員、先住民、女性、学校に通っていない若者を含む)計2000人を支援するものです。訓練プログラムを修了もしくはTESDAとDA-ATIの両方またはいずれか一方による国内認定を受けた参加者には、スターターキット(小型農具、獣医看護用キット、エンジン修理キット、食品加工キット、小型農場機械など)が提供され、起業や生計手段の構築を助けます。小型農場機械キットは、小型農場機械の操縦と管理に関する訓練の修了者が所属する地域密着型組織に提供されます。

このプロジェクトは、ドゥテルテ政権の「平和と開発のロードマップ」とミンダナオ開発庁の「ミンダナオ平和・開発フレームワークプラン(2011-2030)」に述べられている目標と目的に貢献します。

原文プレスリリースはこちらから(英語)

http://www.fao.org/philippines/news/detail/en/c/1184519/