国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

日本、シエラレオネの海洋漁業と漁業コミュニティを支援

2019/07/26

フリータウン―シエラレオネ政府と国連食糧農業機関(FAO)は6月27日、「2009年FAO違法漁業防止寄港国措置協定」(PSMA)と「食料安全保障と貧困撲滅の文脈における持続可能な小規模漁業を保障するための任意自発的ガイドライン」(SSFガイドライン)の実施に向けたプロジェクトの発足にあたり、ワークショップを開催しました。 

ワークショップはフリータウンにあるシエラレオネ政府合同庁舎の漁業・海洋資源省会議室で行われました。冒頭、プロジェクトの見通しとして「ギニア湾での持続可能な漁業と海洋安全保障を支援するためのPSMAとSSFガイドライン実施の支援」が発表され、続いて関係者の意見や見解を踏まえたプロジェクト実施のための作業計画が話し合われました。

このプロジェクトは違法・無報告・無規制(IUU)漁業の防止、抑止、撤廃によって海洋漁業の持続可能性を強化し、シエラレオネの海洋安全保障を改善することを目指しています。

FAOシエラレオネ事務所代表ニャベンイ・ティト・ティポは、「SSFガイドラインの実施と、より良い水産品加工技術の導入は、女性と若者の雇用に貢献し、国家の食料安全保障を改善するでしょう」と話しました。

姫野勉 ・駐シエラレオネ日本大使(在ガーナ日本大使館で兼轄)は「日本は、シエラレオネとの関係強化に基づいてこの支援を提供しています。PSMAの実施は、シエラレオネが自国の漁業部門を保護し、経済の強化と安定化につながる外貨収入をより多く得るために魚介類を輸出するのに役立ちます。この実施が、今年8月末に日本の横浜で開催されるTICAD7を通して継続すると強く信じています」と述べました。

シエラレオネのエマ・コワジャロ漁業・海洋資源大臣は「PSMAの実施は、IUU漁業が国際市場に出回ること、または違法な事業者が異なる寄港サービスを利用した水産品取引を防止することで、IUU商品取引を直接阻止することを目的としています」と話し、漁業・海洋資源省が小規模漁業の促進を重視していると述べました。


プロジェクトについて

このプロジェクトは、PSMAの規定に準拠する政策と法律を開発し、導入することを目的としています。国内政策、立法、監視、統制と監視のシステム、運営が、PSMAの規定とそれを補完する国際的文書に定められている項目や地域ごとの制度に適合するよう見直しを行います。

また、特に国の漁業検査当局がIUU漁業に従事する違反者を効果的に訴追できるよう、職員の能力を強化します。さらに、より費用対効果の高い技術を活用してバリューチェーン開発と漁業や水産加工部門で働く若者・女性漁業労働者の能力開発を促進します。

この事業計画はPSMAの実施と、数々の課題―食料安全保障、貧困撲滅、また、ギニア湾の海上安全保障を強化を目的とした適切な雇用など―を背景とする、持続可能な小規模漁業の確立などを目的とする補完的な国際文書に定められている項目の実施に貢献します。

12カ月間のこのプロジェクトはまた、PSMAの規定とIUU漁業に対処するための補完的な国際文書に定められている項目や地域ごとの制度が、国レベルで一貫して実施されることを最終的な目標としています。


国家優先事項と
FAO戦略枠組みの一致

シエラレオネはIUU漁業により、約年間3000万米ドル(約32億3500万円)を損失していると推定されています。このプロジェクトの計画では、生産的で持続可能な農・林・漁業を目指すFAOの戦略目標2に大きく貢献し、他の4つのFAO戦略目標にも関連しています。

FAOはシエラレオネの漁業・海洋資源省と協力し、地域・準地域レベルで他の関連するFAOテクニカルユニットの支援を受けたプロジェクト・タスク・フォースを通じて直接プロジェクトを遂行します。

 
原文プレスリリースはこちらから(英語)
Japan supports Sierra Leone to ensure the sustainability of marine fisheries and improve livelihoods of the fishing community
http://www.fao.org/sierra-leone/news/detail-events/en/c/1200053/

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http://www.fao.org/japan/news/detail/en/c/1190633/