国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

FAO事務局長に屈冬玉が就任

2019/08/05

新事務局長「さらに躍動的で包括的な、透明性ある国連機関に向けて」

 

ローマ― FAO事務局長に就任した屈冬玉は就任日の1日、飢餓ゼロ実現に向けた世界的な取り組みや、より持続可能な農業の普及などを柱とする優先課題について述べました。

初登庁のこの日、屈はローマ本部で職員にあいさつを述べた後、庁内を回って職員に「FAO加盟国のために共に働き、学び、貢献しましょう」と伝えました。

中国農村・農業部副部長を務めていた屈は、6月の選挙で事務局長に選出。飢餓と栄養不良率の拡大、気候変動関連の農業リスク、進行中の自然資源の枯渇と環境汚染、越境的動植物病害の広がりなどの世界的な重要課題に対し、194の加盟国を擁するFAOが果たすべき役割について強調しました。

 

目標を定め、行動を

屈は、デジタル分野を含むイノベーションを通じて農業と農村の持続可能な開発を推進しつつ、飢餓ゼロ、貧困撲滅を達成するために的を絞った迅速な行動を呼び掛け、とりわけ熱帯、乾燥地域における農業の強化を促しました。

また、FAOが他の国連機関、政府、企業、学術・研究機関などとの新たな連携・協力の拡大が重要である、と述べました。

 

各国間における開発協力の強化・拡大

屈は、これらの連携・協力を背景として、先進国の資金、技術、マネジメント面の強みを、発展途上国の土地・労働力などの資源とのマッチングをFAOが促す必要があると力を込めました。

また、発展途上国間の「手を携えた」開発協力を拡大すべきであると指摘。FAOの南南協力(SSC)制度は農業開発の概念や政策措置、実践的技術、農家のイノベーションの共有をさらに進めるものだとしました。

さらに、FAOは、SSCのより広範な協力を進めるため、公的機関や金融機関、非政府組織(NGO)など多様なパートナーとの合意形成に貢献してきた、と強調しました。

 

FAOの強みを活かして

屈はさらに、食料や農業、自然資源に関する重要な情報を世界的公共財として創出・共有し、また、世界規模で知識を収集・拡散してきたFAOの活動を「強み」としました。

続けて、FAO加盟国の能力構築で本格的な役割を果たしつつ、世界の規範的な活動の場で力を高め、他の国際機関と連携しながら食料・農業危機に世界規模で対応する中心的存在としての立場を強化すべきと述べました。

屈は、これらの目的達成のため、FAOを世界レベルの内部統制を保持する国際機関とすること、すなわち、国連機関で働く若者に目を向け、同時に上級職員の価値と経験を認めること―を約束しました。

 

原文プレスリリースはこちらから(英語)

Qu Dongyu takes up post as FAO chief

http://www.fao.org/news/story/en/item/1203805/icode/

 

関連プレスリリースはこちらから

次期FAO 事務局長に屈冬玉氏 191票中108票を獲得

http://www.fao.org/japan/news/detail/en/c/1199241/

 

新しい事務局長の紹介ページはこちらから

http://www.fao.org/index.php?id=67089#354363