国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

FAOと京都大学、食料廃棄の削減に連携

2020/02/19

2019年、大学キャンパスの食堂での食料廃棄物についての認識を高め、食料ロス・廃棄の削減に関する学生の知識と関与の向上を目的としたパイロットプロジェクトが、京都大学により実施されました。このパイロットプロジェクトの調査結果によると、キャンパスの食堂では食料の約20%が無駄になっていることが分かりました。大学キャンパスで最も無駄になっている食べ物は、副菜、お米、麺類、魚だということが調査結果の中で強調されています。

このプロジェクトにおける他の主要な活動は、2019年6月に実施された食料廃棄削減と教育に関する国際シンポジウムです。このシンポジウムは、学生が食料廃棄とその影響についてより意識を高めることを目的として実施されました。また2018年11月には、FAOと国際食料廃棄連合(International Food Waste Coalition)が共同で開発した教育資料“Do Good Save Food” を広めることを目指したイベントが開催されました。これらの資料の一部は、京都大学生により自発的に日本語に翻訳され、京都市内の若手研究者、教員、保護者の意識向上、そしてさらなる関与の促進に効果があることが明らかになりました。

京都大学によるこれらの活動は、現在実施中であるFAOとのパートナーシップの枠組みのもとで、FAOの支援を受けています。これらの活動は、持続可能な開発目標(SDGs)の達成への貢献に向けて、FAOの学界とのパートナーシップがいかに若者の能力開発に役立ち、食料の持続可能性に関する意識を高め、また学生の行動を促すことができるか、ということを示しています。

FAOと京都大学は、2016年に連携協定に署名し、2018年3月にその協定を更新しました。この長年にわたるパートナーシップは、特に食料廃棄と都市部の食料政策課題や、農業モデリングツールの開発、そして気候変動と持続可能な食料・農業システムの関係性の調査に関する知識と技術的専門性の共有と意識啓発に焦点を当てています。

これまでの連携の事例としては、国際シンポジウム「食と持続可能性」(2018年10月、京都)、FAO本部でのセミナー「京都大学―食料安全保障のための知識の創造(仮訳)」(2018年3月)、および「気候変動の食料と農業への影響に関する国際シンポジウム」(2017年6月、京都)があります。

京都大学は1897年に日本で2番目に創設された大学です。アジアでも上位を争う大学の一つであり、また日本の国立七大学の一つです。京都大学は、研究志向のアプローチとフィールドワークの先駆者としての誇りを持っています。

 

プロジェクトの詳細については以下にお問い合わせください。

FAO: Rosa Rolle, Senior Enterprise Development Officer, FAO/ESN (mail to: [email protected])

Kyoto University: Yosuke Yamashiki, Professor, Vice-Dean, Graduate School of Advanced Integrated Studies in Human Survivability (mail to: [email protected]).

 

プレスリリース原文はこちら
FAO and Kyoto University partner to reduce food waste