国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

FAO、急性の飢餓に陥る4300万人の支援に9億ドルを要請

2020/03/12

東アフリカの農作物に被害を与える砂漠バッタの大群に世界的な注目が集まっている一方、国連食料農業機関(FAO)によると、他の多くの国や地域も深刻な食料安全保障の脅威に直面しており、支援を必要としています。

FAOは9日に発表された資金支援アピールで、ブルキナファソ、チャド、エチオピア、リビア、ミャンマー、シリア、イエメンを含む22か国において、増大する急性の食料不安のリスク下にあり脆弱かつ農業に依存している4300万人の人々を支援するための9億ドルを要請しています。

上記の内容は、2020年の国連人道統一アピールのうち、FAOの取り組む部分です。 これには、東アフリカでの砂漠バッタ大発生の被害に対してFAOが呼び掛けている1億3800万ドルの追加支援要請は含まれていません。

「紛争、気候変動の影響、もしくは経済的制約のために、世界的に深刻な食料不安に直面している人々の大多数は、生計を農業に依存しています」と、FAO事務局長の屈冬玉は述べ、「これらの課題に対処し、レジリエンスを高め、立ち直るために必要な手段を提供する必要があります」と続けました。

人々の自立必要なこと

FAOの2020年の人道支援要請は、紛争や社会不安、害虫や極端な天候などのショックに対する人々のレジリエンスを強化しつつ、地元の食料生産を強化し栄養を向上させることを目的とする、さまざまな取り組みの概要を示しています。

活動は国によって異なりますが、FAOの目標は、人々が栄養価の高い食料を生産し、収入を確保し、できるだけ早く自立できるようにすることです。具体的には、種子や農業用具、肥料などの農業資材や農作物生産のためのその他の資材の提供、家畜の補充、家畜飼料や獣医ケアの提供、漁具の配布、また人々が彼らの差し迫ったニーズを満たしつつ食料生産を継続することを助ける現金支援によって行うことができます。

FAOはまた、地域コミュニティと協力して、農業と自然資源管理へのアプローチを強化し、農業の生産性を高め、生計手段の多様化への戦略を進めるといった支援を行っています。

予防を行う

最新の食料危機に関するグローバル報告書では、急性の食料不安の要因には、紛争、気候関連のショック、自然災害、動植物の病害虫、経済の低迷が含まれることが示されています。根本的な原因に対処する必要があることは明白です。

リスク軽減への投資、そしてショック発生前に、脆弱な人々がそれらのショックに耐える能力を構築することは、災害の事後対応よりも人道的かつ費用対効果の高い効果的なアプローチです。

FAOの人道支援では、短期的な対応と、予防行動、そしてショックが発生する前に脆弱な人々の対処能力を構築する長期的なレジリエンス構築への介入を組み合わせたものです。 FAOが支援の対象とする国の全リストと、2020年に予定されている国連機関の人道支援の詳細については、こちらをご覧ください。

 

原文のプレスリリースはこちらから
Acute food insecurity hotspots need urgent attention
http://www.fao.org/news/story/en/item/1265339/

FAOの2020年の人道支援要請のページはこちら
FAO in the 2020 humanitarian appeals
http://www.fao.org/emergencies/appeals/2020/en/