国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

日本の中高生のセーブ・フード・イニシアチブの取り組み

2020/03/27

東京-1月12日、国連食糧農業機関(FAO)のパートナーの一つで、料理レシピのコミュニティウェブサイトを運営するクックパッド株式会社が実施するクリエイティブ・クッキング・バトルに、豊島岡女子学園の約30名の生徒らが参加し、食料ロス・廃棄の課題や、食料廃棄削減のために身近に楽しく実践できる取り組みについて学び合いました。

クッキングバトルでは、生徒たちは家庭から食品の残り物を持ち寄り、当日5つのグループに分かれて、別の生徒が持参した残り物を使って即興で料理を作り、審査員の先生方に革新的な料理を提供することが求められました。持ち寄られた食品には、乾物や缶詰のような日本の保存食もあれば、個別包装された調味料、独特な匂いのある珍味、子ども用菓子等がありました。肉類や魚介類、野菜等を合わせて、生徒たちはその場でさまざまな革新的な料理を作り上げました。

本バトルの最後には、学校内で食料ロス・廃棄についての勉強会を重ね、当日はファシリテーターを務めた豊島岡女子学園の実行委員会の皆さんが各グループが出した食料廃棄の量を計測しました。リーダーの一人が、日本の一般家庭で一回あたりの食事で出される食品廃棄の量について言及しながら、「今日出た食料廃棄の量は、持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット12.3 『消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させる』を優にクリアしています。おめでとうございます!」と述べて、本クッキングバトルの成功を称えました。

クッキングバトルに続き、参加者の間でのグループワークやクックパッド株式会社およびFAO駐日連絡事務所の代表者とのセッションも行われました。FAO駐日連絡事務所所長チャールズ・ボリコは、当日上映されたビデオメッセージで、「食料廃棄が減れば、温室効果ガスの排出量が減るだけでなく、捨てられた食料の生産に費やされる土地やエネルギーが不要となるため、より健全に、地球と人が共生できるようになるでしょう」と呼びかけました。

この実行委員会の生徒たちは、非常に熱心に食料ロス・廃棄について学んでいます。昨年10月16日に、FAO駐日連絡事務所が国連WFPや国際農業開発基金(IFAD)と開催した世界食料デーイベントにも参加しました。また、FAOと国際食料廃棄連合(International Food Waste Coalition)が、セーブ・フード・イニシアチブのもと共同で開発した教育資料 “Do Good Save Food” の全てを、任意で翻訳しました。

食料ロス・廃棄削減やその他の重要な課題への取り組みを加速させるため、FAOは世界中で民間セクターとの連携を推し進めています。FAOは引き続き、クックバッド株式会社とその協力関係にある学校との連携についての議論を継続していきます。

 

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