国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

日本政府、バングラデシュへのCOVID-19緊急支援に連携

2020/07/21

バングラデシュ・ダッカ-国連食糧農業機関(FAO)と日本政府は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受ける、非常に脆弱なハオール(低湿地帯)地域のコミュニティに緊急支援を行う新たなプロジェクトを開始しました。

この事業では、感染拡大抑制への安全条件を確保しつつ、農業生産性を高め、農家が農産物を販売するのを助けることで、食料安全保障を強化する革新的な支援を提供します。

このプロジェクト「新型コロナウイルス感染症の拡大抑制に向けた、革新的なフードシステム・アプローチを通じたハオール地域コミュニティの食料安全保障・栄養強化のための緊急支援」は、ハオール低湿地帯地域の2つの主要な米生産地域を対象とします。支援がなければ、事業の対象となる7万5 000人の直接受益者は、最貧困層レベルを下回る可能性があります。

イタリア・ローマのFAO本部でFAOと在イタリア日本大使館との間で口上書が交換され、この112万米ドル(約1.2億円)規模のプロジェクトの資金調達契約が正式に成立しました。

ハオール地域の2県(ネトロコナ県とキショルゴンジ県)は、国連人道調整タスクチームの最新の新型コロナウイルス感染症多部門型予測的影響・ニーズ分析において、物理的、社会経済的、災害の脆弱性に基づき、それぞれ国家優先地域の2番目と3番目に位置付けられました。

ハオール地域は、一季で栽培されるボロ稲(冬米)の主な供給源です。 この地域では、ジャガイモ、サツマイモ、落花生、マスタード、豆類も生産されています。

新型コロナウイルス感染症は、労働力不足と農業労働コストの増加をもたらし、さらなる機械化の必要性を浮き彫りにしています。必要なツールを提供して農家を支援し、安全な労働条件を促進することは、米や他の作物を収穫して市場に出す取り組みへの助けとなります。

「このプロジェクトは、重要な時期に必要とされる多くの支援を提供します」とFAOバンクラデジュ事務所のロバート・D・シンプソン代表は述べ、「それは主要な農業労働者の健康を守りながら厳しい状況下にある地域コミュニティを助け、また、地域で最も重要な作物を保護することで、国内の食料安全保障に広く貢献します。バングラデシュの食料・農業開発に継続的に支援をいただいている日本政府に感謝します」と続けました。

日本政府は国際社会と協力し、新型コロナウイルス感染症危機への取り組みにおいて主導的かつ積極的な役割を果たしています。特に日本政府はFAOを通じて、中長期的に食料安全保障を強化するための支援を提供するとともに、人命を保護し、社会・経済的な悪影響を最小限に抑えるための緊急対策を講じています。

日本はすでに、バングラデシュの脆弱なコミュニティを支援するさまざまな森林・土地管理プロジェクトに資金を提供しています。バングラデシュ森林局との連携により、FAOはコックスバザールの200ヘクタールの荒廃した土地と流域を修復し、地滑りや洪水のリスクを大幅に軽減しました。このような取り組みは国内の他の地域へのモデルとしてとらえられています。

またFAOは、日本からの支援を得て、流域管理計画を改善するための主要調査を実施し、農業用水の効率的な利用を促進するためのコミュニティグループ間のネットワークを形成し、持続可能な方法で地元で育てられた木を植林プログラム用に提供する、苗床も設置しました。さらに、日本からの資金は、コックスバザールでの新型コロナウイルス感染症の公衆安全の啓発活動を支援しています。

プロジェクト期間:2020年7月6日〜2021年3月31日。

 

原文(英語)は以下から
Emergency support for Haor communities in response to COVID-19

 

関連リンク
FAOと新型コロナウイルス感染症(COVID-19) (日本語)

FAO and COVID-19(英語)