国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

リベリアの漁業及び稲作分野の能力向上へ、FAOと日本の連携強化

2021/10/18

国連食糧農業機関(FAO)は日本政府より「食料安全保障及び栄養改善のための漁業及び稲作分野における能力強化計画」プロジェクトのための資金協力(支援額3 564 000米ドル)を受け、リベリア国家水産養殖庁(NaFAA)及び農業省と連携して本プロジェクトを実施します。 

このプロジェクトは、海洋漁業の生産量の減少、海洋資源の非持続的な管理、不十分な加工能力によって消費者にもたらされる健康リスク、また水揚げ場での食品安全性基準の適用といった課題に対処するために策定されました。そのために、十分な調整がなされ、利害関係者主導のアプローチを通じて、中期的に水産業が直面する以下の四重の課題に取り組みます。同時に、国産米生産の戦略的改善を支援し、水田養殖を推進します。 よって、水田養殖生産の統合を促進する一方で、地元のコメ生産の改善をも支援します。 

本プロジェクトを通じて、FAOはリベリアの貧困削減、食料栄養安全保障の確保、若年層から中年層までの女性及び男性の生計脆弱性の改善に貢献します。プロジェクトは、コロナ禍、3000名の漁民、稲作農家、養殖業者、水産加工・小売業者の強靭な生計及び収入並びに食料栄養安全保障を確保することを目指しており、以下の4つの成果目標を通じて、気候変動対応型及び環境に配慮した方法で、10郡の地元コミュニティのバリューチェーン参加者及び生産者のエンパワーメントが図られます。 

  1. 海洋における小規模漁業の強化 
  2. 女性水産加工業者の生計改善
  3. 水田養殖の推進 
  4. 違法・無報告・無規制(IUU)漁業撲滅のための能力強化 

プロジェクトはまた、国連の持続可能な開発目標(SDGs)、その中でも特に目標1,2,3,8,9,14に貢献します。 

本プロジェクト署名式で、マリアトゥ・ンジェイFAOリベリア事務所代表は、これらの成果目標について説明し、特に成果目標(2)では、気候変動に対応した持続可能で健康的な水産加工インフラ設備の構築や器具配給の支援を行うとし、女性グループ間の知識共有の場の設定、カイゼン・アプローチを通した効率、生産性、衛生慣行の向上のための能力強化研修を実施すると述べました。 


また、姫野勉駐リベリア日本国特命全権大使は、「日本の人々がこのプロジェクトを喜んで支援する理由を3つ挙げたいと思います。第一に、それはリベリアの沿岸郡に住む漁業コミュニティに関連する重要なプログラムです。この支援は、日本が主催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7, 2019)に対応するものです」とし、自立を支援するためのエンパワーメントが最も重要であり、まさにこのプロジェクトは漁業コミュニティのエンパワーメントのためであると述べました。 「第二に、日本とリベリア共和国の間には長年の交友関係があり、したがって、リベリア政府からの漁業部門の支援要請への対応に誇りを持っています。第三に、私たちが日本の友人として何をするにしても、それが報われることを望んでおり、そのような支援は無駄にされるべきではありません」と述べました。